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zoom RSS 鈴木亜久里の挫折 「スーパーアグリF1 SA08A/RA808E」MINICHAMPS 1/43

<<   作成日時 : 2009/05/24 01:49   >>

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ドライバー、チームスタッフ、チームオーナー、そして応援するファンの“夢”こそすべての原動力だったオールジャパンF1チーム、最後のマシン。
2年半の活動は短命だったのか、それとも、望外に“長い夢”と形容すべきか・・・MINICHAMPS(PMA製)のF1モデルは、プライスレスな価値を伝える気がします。

SUPER AGURI HONDA SA08 #18
T.SATO
2008
MINICHAMPS 1/43 400-080018





「#18」は日本人F1ファンのアイドル、佐藤琢磨搭乗マシン。
他人事なれど、彼のF1浪人生活はいつまで続くのだろう?

2008年シーズン用に開発されたSAF1(スーパーアグリF1)のマシン「SA08A」は、HRF1(ホンダレーシングF1)が前年走らせた失敗作「RA107」シャーシに2008年型「RA108」リアセクション(エンジン含む)を合体させ、栃木の専任グループとリーフィールド(イギリス)のSAF1スタッフが連携して独自のアイデアを施した、所謂「カスタマー・マシン」でしたが、元シャーシの素性が苦戦を予想させました。
更にチームが抱える慢性的スポンサー資金不足はテスト走行すら出来ないまで悪化、深刻なチーム状況を察知したF1興行権を管理するFOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント)代表バーニー・エクレストンが5月の第5戦トルコGPパドック入りをロックアウトすると、以後、二度と再び参戦すること無くF1撤退を余儀なくされました。
「HONDA」ロゴだけ異様に目立つ、忠実に実車再現したモデルの寂しいマーキングから、悲壮感と無念さが伝わります。


ミニチャンプス(PMA製)に拘らずF1モデル全般に言えることですが、1/43スケールでは貧弱に見えます。正直、1/18位ないと見栄えしない。
造形や細部作り込み表現の進歩は認めますが、まるで“アジの干物”そっくりな雰囲気(形、大きさ)を目の当たりすると、少し悲しい気持ちになります。
これは、ロードカーやオープン・ホイール以外のレーシング・モデルでは感じることのない印象です。
このモデル、サイズを別にすれば、特別可もなく不可もない出来です・・・(-_-;)

ホンダ・ファンが陥りがちなHONDA=HRF1の認識は実は誤りで、遅すぎたオール・ホンダ移行後も旧BARスタッフに翻弄され続けた“本家”HRF1に較べ、本田技研栃木研究所からの支援を受けながら、限られた予算とリソースを最大限有効活用したSAF1の結束力と情熱は賞賛に値すると思います。
F1に参戦する二つのチームは当然ながらレースで競い合うライバルであり、特にSAF1の成績が勝った2007年シーズン前半など、潤沢な予算と権限を与えられた“ワークスチーム”HRF1のCEOニック・フライや旧BAR系主要メンバーには許し難い状況だったでしょう。
シーズン途中でのマシン重量配分変更など致命的迷走を続けたHRF1は、むしろ、SAF1への技術供与妨害工作するなど“身内”から足を引っ張ったそうです。



今回のタイトルは、「ホンダ RA-099 プロトタイプ 1999」で紹介した川喜田研著「さらば、ホンダF1」読了後、関連情報のつもりで読んだ赤井邦彦著「鈴木亜久里の挫折 - F1チーム破綻の真実(文庫版)」から引用しましたが、SAF1=鈴木亜久里の凡人にはあり得ない日々、まるでジェットコースターのような2年半が書かれています。
要約すると以下のとおり。

2005年2月に鈴木亜久里がホンダ本社に出資を持ち掛けた「ワークス・ホンダ」共同経営に端を発し、当時日本のレース界を席巻した謎の企業「ディレクシブ」の資金提供と撤回。ご破算になった共同経営計画と別に、今度は逆にホンダから提案されたミナルディ・チーム買収と、HRF1が切り捨てた佐藤琢磨の処遇が絡む独立チーム設立支援策、その後も尾を引く資金面での決定的ボタン掛け違い。
FIAの供託金4,800万ドル(当時邦貨換算約57億円)捻出する為、ソフトバンク代表孫正義氏と繰り広げた主導権争いの末の契約断念と、九死に一生を得た、友人であるアパレル(サマンサタバサジャパン)社長寺田和正氏からの57億円私財担保提供!
そして、ばんせい証券が仲介した、実体のない香港の資源開発企業「SSユナイテッド」の年間3,000万ドル・スポンサー契約話とセットされた、不可解な“15億円つなぎ融資”が引き起こす悪夢の詐欺被害事件。
結局何百社プレゼンしてもメインスポンサー獲得に至らない、日本企業のF1認知度とスポーツ文化振興に対する消極性を残酷なほど証明しながら、一方、巨額な金の匂いに釣られ次々集まる得体の知れない人々・・・その反面、友人や栃木を中心とする一部ホンダからの献身的支援など、鈴木亜久里本人の好き嫌いとは別に、ノン・フィクションで綴られる内容は驚きと感動の連続です。


「四十五歳になったらF1チームを興す」
鈴木亜久里の夢と野望、その、あまりに無謀な“行け行けゴーゴー!”行動理念を肯定出来ませんが、ホンダやトヨタでさえ実行に躊躇する「オールジャパンF1チーム」実現した志と意気に感じます。
もっと佐藤琢磨中心に紹介すべきモデルかも知れませんが、SAF1を再考する契機となった1台です。





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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
いつも楽しく拝見しております。写真の綺麗さ、文章力、ミニカーの出来栄えに対するご意見、どれもすばらしいです。moonwalkerさんのご意見を参考に(影響されて)トヨタTS010を購入しました。6〜7月のEBBROのGT-R(新旧GTレース)が発売されれば是非ブログに乗せてください。これからも楽しみにしております。
fukuken
2009/05/24 08:53
こんにちは、fukukenさん。
最高のお褒めと励まし、真に受けちゃいます。ありがとうございます。嬉しいです。

「トヨタTS010」入手されたそうで、おめでとうございます。
エブロさん発売予定の「R35GT-R FIA-GT」シリーズ、今から楽しみにしてますので、いずれ取り上げる機会・・・製品に対しては出来る限り客観性を意識しながら、感じたこと正直にコメント心掛けてますが、ご不快な節は平にご容赦を m( _ _ )m

fukukenさん同様、身銭を切ってのコレクションですから、特定のメーカー叩きする意図の無いことをご理解頂ければ幸いです。
でも、つい、品質向上願う私流“ハッパがけ”やっちゃうんですよね (^^ゞ
moonwalker
2009/05/24 15:18
こんばんは、moonwalkerさん。
何回見ても面白く、参考になるので、もし良かったら僕のブログにリンクを張らして頂いてもよろしいでしょうか(言葉のチョイスおかしいでしょうか)?
こちらのブログを紹介したいのと、僕のブログを充実させたいという2つの理由からです。ご検討お願い致します!
fukuken改めkenken
URL
2009/05/28 01:41
こんばんは、kenkenさん。
あまりお役に立つとは思えませんが、リンク・フリーです。ご自由に判断下さい。

ブログ拝見しましたよ。
私の体には“赤信号”間違いなし(?)美味しそうな麺類紹介や映画記事など、有益に癒されそうな印象持ちました。
これからも、お互いマイペースで頑張りましょうね (*^_^*)
moonwalker
2009/05/28 19:31

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